最初は期待していたはずのWeb代理店でも、次第に成果や対応にズレを感じるケースは少なくありません。担当者とのやり取りや、施策の方向性に不安が残ることもあるでしょう。代理店の変更は簡単ではないからこそ、慎重に判断してほしいと考えています。
この記事では、Web広告代理店の変更を決断する前に必ず確認しておきたい「5つの最終確認」をまとめました。今の状況を冷静に見つめ直し、あなたの会社にとって一番良い方法を確認してみてください。
失敗しないための「5つの最終確認」チェックリスト
Web広告代理店を変えるという決断は、事業にとって大きな一歩です。しかし、勢いで進めてしまうと「前の代理店の方が良かったかもしれない…」と後悔する事態になりかねません。ここでは、代理店を変える前に必ず確認しておきたい5つのポイントをまとめました。一つひとつ丁寧に確認し、より良い選択をしましょう。
アカウントの「所有権」はどちらにあるか?(最重要)
Web広告を運用する上で最も大切なのが、広告アカウントの所有権が自社にあるかどうかです。 もし代理店が所有権を持っている場合、解約と同時に過去の配信データや設定が利用できなくなり、新しい代理店でゼロからスタートすることになります。 これは大きな機会損失につながるため、契約前に必ず確認が必要です。
具体的には、以下の主要な広告・分析ツールのアカウント所有権を確認しましょう。
- Google広告アカウント
- Yahoo!広告アカウント
- Googleアナリティクスアカウント
- Googleタグマネージャーアカウント
- Facebook(Meta)広告アカウント
万が一、代理店が所有権を持っている場合は、解約手続きと並行して、自社へ所有権を移管してもらうよう依頼してください。 これまでの貴重なデータを失わないために、最優先で取り組むべき項目です。
不満の原因は「運用」か、それとも「商品・LP」か?
広告の成果が出ないとき、その原因が必ずしも代理店の「運用力」にあるとは限りません。 不満の根本原因を冷静に分析することが大切です。 原因が代理店の運用にあるのか、それとも自社の扱う商品やランディングページ(LP)にあるのかを切り分けて考えてみましょう。
例えば、「コンバージョンは取れているが、その後の成約に繋がらない」という場合、広告のターゲティングではなく、LPの訴求内容や商品力そのものに課題があるのかもしれません。 代理店のレポートを鵜呑みにせず、実際のデータを見ながら、成果が出ない本当の理由を探ってみましょう。 もし原因が自社側にあるのなら、代理店を変えても同じ結果を繰り返す可能性があります。
次の担当者は「誰」になるのか?
現在の代理店との契約を解除した後、広告運用を誰が引き継ぐのかを具体的に決めておく必要があります。運用が完全に止まってしまう期間が生まれると、売上に直接的な影響が出かねません。
主な選択肢としては、以下の3つが考えられます。
- 新しいWeb広告代理店に依頼する
- 自社内で運用できる担当者を立てる(インハウス化)
- フリーランスのWebマーケターに依頼する
どの選択肢を取るにしても、スムーズな引き継ぎが不可欠です。新しい代理店を探すのであれば、現在の契約が終わるタイミングを見据えて、余裕を持ったスケジュールで選定を進めましょう。
契約解除の「通知期限」と「違約金」
代理店との契約を解除する際は、必ず契約書の内容を再確認してください。特に「通知期限」と「違約金」に関する項目は、トラブルを避けるために重要です。
多くの契約では、解約を申し出るタイミングが定められています。例えば、「解約希望月の1ヶ月前までに通知が必要」といったルールです。 この期限を過ぎてしまうと、解約が翌月以降にずれ込んだり、意図しない違約金が発生したりする可能性があります。
| 確認項目 | 内容の例 |
|---|---|
| 解約の通知期限 | 解約希望日の1ヶ月前、3ヶ月前など |
| 契約期間 | 1年契約、6ヶ月契約(自動更新の有無も確認) |
| 違約金の条件 | 契約期間内の解約で、手数料のXヶ月分など |
円満な解約のためにも、契約書に記載されたルールを事前にしっかりと把握しておくことが大切です。
今の代理店に「最後のお願い」をしたか?
不満が溜まっていると、すぐにでも解約したい気持ちになるかもしれません。しかし、その前に一度立ち止まり、現在の代理店に対して不満点を具体的に伝え、改善を求める「最後のお願い」をしてみることをおすすめします。
例えば、以下のような要望を伝えてみましょう。
- レポートの内容をより詳細にしてほしい
- 定例会の頻度を増やしてほしい
- 具体的な改善提案がほしい
- 担当者の変更を検討してほしい
この対話によって、関係性が改善され、契約を継続するという選択肢が生まれるかもしれません。たとえ解約に至るとしても、自社の要望を明確に伝えることで、次の代理店選びで何を重視すべきかがはっきりとし、円満な引き継ぎにもつながりやすくなります。
Web広告代理店を変える前にまず現状を把握する

今のWeb広告代理店を変えたいと感じたとき、すぐに次の候補を探し始める前に、一度立ち止まって現状を整理してみませんか。なぜ不満を感じているのかを客観的に見つめ直すことで、本当に代理店を変えるべきか、それとも今の代理店との関係を改善できるのかが見えてきます。ここでは、現状を正しく把握するための方法を解説します。
なぜWeb広告代理店を変えたいのか理由を書き出す
まずは、頭の中にあるモヤモヤとした不満を、思いつくままに書き出してみましょう。感情的になっている部分と、事実に基づいている部分を切り分けることが目的です。紙とペンでも、スマートフォンのメモ機能でも構いません。具体的に書き出すことで、問題点が明確になります。
- 成果(売上、問い合わせなど)が出ていない
- 広告運用のレポート内容が分かりにくい、または報告がない.
- 担当者からの提案が少ない、または的を射ていない.
- 連絡や質問への返信が遅い.
- 契約している料金が高いと感じる
成果に関する不満点をデータでまとめる
「成果が出ていない」という不満は、具体的なデータで示すことが大切です。代理店から共有されているレポートなどをもとに、重要な指標の数値を整理しましょう。目標としていた数値と現状を比較することで、課題がどこにあるのかを客観的に把握できます。
| 指標の例 | 現状の数値 | 目標の数値 | 考えられる課題 |
|---|---|---|---|
| 顧客獲得単価(CPA) | 例:15,000円 | 例:10,000円以下 | 例:ターゲット設定が広いのかもしれない |
| コンバージョン率(CVR) | 例:0.8% | 例:1.5% | 例:広告文とLPの内容が合っていない可能性がある |
| 広告費用対効果(ROAS) | 例:180% | 例:250%以上 | 例:費用をかけるべき商品やサービスが違うかもしれない |
コミュニケーションに関する不満点を具体的にする
担当者とのやり取りに関する不満も、具体的にしておきましょう。「いつ」「誰が」「何を」といった情報を整理すると、問題点がよりはっきりします。この整理は、次の代理店にどのような対応を期待するのかを伝える際にも役立ちます。
例えば、次のように書き出してみましょう。
- 月次の定例会で、レポートの数値を読み上げるだけで改善策の提案がない。
- メールでの質問に対して、明確な返信が3営業日以上かかったことが複数回あった。
- 担当者が短期間で交代し、その都度こちらの事業内容を説明し直す必要があった。
失敗しない新しいWeb広告代理店の選び方

新しいWeb広告代理店選びで後悔しないための3つのポイントを紹介します。今の代理店への不満点を踏まえつつ、自社に合ったパートナーを見つけるための参考にしてください。
自社の業界での実績が豊富か
新しい代理店を選ぶ上で、自社の業界や近い業界での実績はとても大切な判断材料になります。 業界特有の市場環境や顧客の行動パターンを理解している代理店は、成果につながる的確な提案が期待できるからです。 公式サイトの導入事例を確認したり、打ち合わせの際に同業種の支援実績について質問したりして、具体的な成果を数字で示してくれるか確かめましょう。
料金体系と費用対効果は見合っているか
Web広告代理店の料金体系は、主に「固定費型」「成果報酬型」「複合型」などがあります。 それぞれに特徴があるため、自社の予算や目標に合わせて検討することが必要です。 一般的な手数料の相場は広告費の20%と言われていますが、金額だけで判断するのは避けましょう。 安くてもサービス内容が限定的であったり、レポートが簡素であったりする場合があります。 複数の代理店から見積もりを取り、提供されるサービス内容と料金が見合っているかをじっくり比較することが大切です。
| 料金体系 | 特徴 |
|---|---|
| 固定費型 | 毎月決まった金額を支払う形式です。広告費の大小にかかわらず費用が一定なので、予算の管理がしやすいです。 |
| 成果報酬型 | 問い合わせ件数や商品の購入など、あらかじめ決めた成果に応じて費用が発生します。成果が出なければ費用を抑えられますが、成果の定義を明確に決めておく必要があります。 |
| 複合型 | 固定費と成果報酬を組み合わせた形式です。柔軟な料金設定が可能で、近年この形をとる代理店も増えています。 |
担当者の提案力と対応の速さ
代理店の能力は、窓口となる担当者のスキルに大きく左右されるといっても過言ではありません。打ち合わせの場で、自社の課題を的確に理解し、具体的な改善策をその場で示してくれるかどうかが一つの見極めポイントです。 専門用語を多用せず、こちらの話を丁寧に聞き、分かりやすく説明してくれる担当者は信頼できるでしょう。 また、質問や依頼への返信の速さといった、日々のコミュニケーションがスムーズに行えるかどうかも、長く付き合っていく上で重要な要素になります。
まとめ
Web広告代理店を変えることは、あなたのビジネスにとって大きな決断です。勢いで進めて後悔しないために、まずは一度立ち止まり、今の状況を丁寧に見つめ直してみませんか。今回お伝えした5つのチェックリストは、冷静な判断を助けてくれます。この記事が、あなたのビジネスをより良くするための、次の一歩を考えるきっかけになればと考えています。


